駐ブラジル公使・西島章次さん事故死(平成24年7月28日)

駐ブラジル公使・西島章次さん事故死の訃報が飛び込んできた。



(事故の第一報を伝える新聞記事より)

駐ブラジル公使の西島章次さんは、前神戸大学の副学長で、私の従妹叔父(いとこおじ)にあたる。詳しく言えば私の祖母の妹の娘が、西島章次さんの妻にあたる。ゆえに私の祖母にとっては、妹の娘婿。

 親しい間柄であった。ニュースでは「事故の時、夫人も同乗していた」あり、非常に心配している。


駐ブラジル公使・西島氏が事故死。(以下記事より引用)
元神戸大学副学長で、本年4月から駐ブラジル公使を務める西島章次さん(63)が、日本時間の7月29日未明、ブラジルの首都ブラジリア郊外で交通事故に遭い死亡したことが30日、外務省への取材で分かった。同乗の埼玉県出身の大使館派遣員、福地由花さん(24)も死亡、西島さんの妻も怪我をした。外務省によると、事故に遭った日は公務日ではなかった。事故の状況は明らかになっていない。葬儀の日取りは未定。神戸大学によると、西島さんの専門はラテンアメリカ経済。平成17年から副学長を2年間務め、平成24年3月、神戸大学経済経営研究所教授を最後に退職した。

 (以下『朝日新聞』平成24年(2012)10月27日号夕刊に追悼記事が出たので追記)

今年8月半ば、サンパウロで開かれた、ブラジルで最も権威のある経済学賞の授賞式。
経済学者ロベルト・マセドさん(69)は、受賞あいさつで30年来の交友のあった西島さんの逝去を悼み「かけがえのない人を失っ


た。言葉もない」と述べた。「彼は経済だけでなくブラジル社会、日本の文化を互いに伝えた」と。
西島さんは、ラテンアメリカ経済、特にブラジルを主な研究対象とした。1980年代の経済危機当時の政策などを題材に論文を著してきた。経済理論から政策を読み解くだけでなく、民衆の生活や反応が政策形成に及ぼす影響も丁寧に追い、全体像がわかりやすいと評判だった。その著作や講演が転機となった人は多い。独協大の米山昌幸教授(48)=国際経済学=もその一人だ。大学卒業後、銀行に就職したが数年で辞め、神戸大学の西島ゼミで学び直した。
「学生時代、西島先生の講演を聴いて、社会の仕組みが見えた思いがした。発展途上国支援の夢を効果的に実現する方法を学べると思った」と。ゼミでは言葉の使い方や引用データ、理論展開に疑問点があると徹底的に詰める厳しさを見せた。だが授業を離れると、生徒を自宅に招いて奥さんの手料理でもてなし、病欠の生徒を見舞い、時にはギターの弾き語りも披露した。他大学の学生に対しても、研究内容を知り「輝く若手の登場を期待しています」と手紙を送ったことも。毎木曜日のゼミは、学外の生徒や卒業生まで顔を出し、意見を交わす場になっていた。
今年4月、ブラジルの日本大使館公使に。自身の研究を深めるだけでなく、経済学の講義を開き、人材の育成に力を注いだ。「ありがとう」「obrigado」。大使館に置かれた記帳のノートは、両国からの感謝の言葉であふれていた。(岩田誠司)


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投稿日:2012/07/28

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