江戸城再建計画に絶対反対(令和7年4月19日)

皇居を見下ろす場所に、江戸城を再建しようとする案が、一部で持ち上がっているが、我々はこれを【極めて不敬】でありかつ【警備上の安全性を脅かすもの】として、反対している。というより絶対阻止せねばならない課題であると認識しているし、そもそも、現在の建築基準法では建設できないシロモノでもある。かつて、靖國神社に敵対勢力の合祀を目論む輩が暗躍したことがあったが、本件もそれにならぶ暴挙ではないかと感ずるところである。以下に問題点を整理してみようではないか。


江戸城天守再建プロジェクト:正当性と現実的リスクに関する考察
一般社団法人IKIZAMAが進める「江戸城天守再建」は、国家プロジェクトを標榜しながらも、その正当性と実現可能性には極めて厳しい疑念がつきまとう。以下の3点は、本プロジェクトがなぜ「危うい」と見なされるのかを裏付ける決定的な事実である。

1. 当事者である「天皇陛下、宮内庁、および徳川家」の不在
最大の問題は、天皇陛下、宮内庁、および江戸城の象徴である徳川宗家(徳川家)の協力や賛同が得られていないことは、このプロジェクトの「正当性」において決定的な欠落と言える。

江戸城の象徴である徳川宗家(徳川家)が誰一人として賛同していない点は重要で、明治元年(1868)の江戸無血開城以来、江戸城は天皇陛下の御住居(皇居)となった。徳川家の立場からすれば、現在、皇居となった場所に先祖の城を再建せよと主張することは、歴史的・礼節的に極めて不適切であろうと考えられる。また、1657年の焼失後に再建を見送った判断こそが、民生を優先した「徳川の英断」として歴史に刻まれている。再建を強行することは、そのアイデンティティを根底から覆す行為に等しい。代わりに太田道灌の子孫が担ぎ上げられているが、再建しようとしているのは、太田道灌時代の城ではないため、自己矛盾も甚だしい。

徳川家(現在は第19代当主・徳川家広氏)がこの手の再建運動に慎重、あるいは距離を置いている背景には、以下のような理由があると考えられる。

1. 皇居(皇室)への配慮
徳川家にとって江戸城は、明治維新の際に「江戸無血開城」をもって明治天皇に献上したものである。現在は天皇陛下の御住居(皇居)であり、旧当主の立場から「自分の先祖の城を建て直せ」と主張することは、現在の皇室に対する不敬や、歴史的な経緯を無視した行為になりかねないと感じるだろう。家広氏自身も、皇居という場所の特殊性を深く理解されており、政治的・感情的な混乱を招く動きには極めて慎重なのであろう。

2. 「観光資源化」への違和感
IKIZAMAなどのプロジェクトは、江戸城を「観光の目玉」や「経済効果」の文脈で語ることが多い。一方、徳川家にとっては先祖の魂が宿る場所であり、単なる「ビジネスやエンタメの道具」として城を再建することに、歴史的プライドとして違和感を持っている可能性が高い。

3. 歴史的・学術的な正当性の欠如
江戸城天守は、1657年の「明暦の大火」で焼失した後、時の知恵者・保科正之(徳川家光の異母弟)の「城を再建する金があるなら、江戸の街の復興に回すべき」という判断で再建されなかった歴史がある。「再建しないこと」自体が徳川の賢明な治世の象徴でもあり、それを現代になって無理に建てることは、徳川家の歴史的アイデンティティを損なうことになりかねない。

4. 誰のための再建か?
「天皇陛下」「宮内庁」「徳川家」「政治家」「歴史学者」という、本来最も関わるべき立場の方々が不在のまま、経済界やインフルエンサー主導で進んでいるのがこの奇怪なプロジェクトの最大の特徴であろう。ゆえに、
現状:「江戸城」という強力なコンテンツを利用した、新しいタイプのクラウドファンディングやコミュニティ運営に近い。
懸念:「当事者(天皇陛下や徳川家)」を置き去りにした活動は、最終的に「寄付金を集めてイベントをやるだけの集団」で終わってしまう可能性が濃厚である。
天皇陛下も、宮内庁も、国も、政治家も、専門家(学者)も認めていない建築計画」にお金を集めているという構造は、冷静に見れば極めて詐欺に近い危ういものと言わざるを得ない。


結論
1. 当事者たちの不在
天皇陛下も、宮内庁も、国も、江戸城の象徴である徳川宗家(徳川家)も、政治家も、学者も誰一人として賛同していない点。明治元年(1868)の江戸無血開城以来、江戸城は天皇陛下の御住居(皇居)となったが、徳川家の立場からすれば、現在、皇居となった場所に先祖の城を再建せよと主張することは、歴史的・礼節的に極めて不適切であろうと考えられる。
また、1657年の焼失後に再建を見送った判断こそが、民生を優先した「徳川の英断」として歴史に刻まれている。再建を強行することは、そのアイデンティティを根底から覆す行為に等しい。

2. 政治的・学術的な裏付けの欠如
堀江貴文氏ら著名な実業家が名を連ねる一方で、現職の有力政治家や権威ある歴史学者の支持は皆無である。
政治的障壁: 建設予定地は宮内庁が管理する皇居内であり、警備や聖域性の観点から、国が許可を出す見込みは極めて低い。
学術的障壁: 史料不足により、現在の文化庁が求める「厳密な復元」は不可能に近い。歴史的根拠を欠いたまま巨大建造物を建てることは、特別史跡の破壊を意味する。

3. 資金消失と実現性のリスク
プロジェクトは550億円という巨額の資金を寄付やDAO(分散型自律組織)で募っているが、以下のリスクは免れない。
返金なき寄付: 支援金はあくまで「寄付」であり、投資ではない。プロジェクトが頓挫しても、その資金が返還されることはない。
活動費への消散: 行政の許可が下りないまま、集まった金はシンポジウムや広報、事務局の運営費として合法的に消費されていく。

最後に・・・
実態を直視すれば、本プロジェクトは当事者を置き去りにしたまま、ビジネス層とインフルエンサー主導で進む異質な運動と言わざるを得ない。

令和7年(2025)現在の時点においては、これが直ちに詐欺と断定されるわけではないが、「城が建つ」という確実な根拠はどこにも存在しない。支援者にとっては、「江戸城の再建」という結果ではなく、「実現不可能な夢への挑戦」というプロセスに金を払うだけの結果に終わる可能性が極めて高い。
(※この馬鹿げた計画を広く認識してもらうため、以下に英訳を添付しておきます)


The “Edo Castle Reconstruction” Project: A Critique of Its Legitimacy and Risks

While the General Incorporated Association IKIZAMA promotes the reconstruction of the Edo Castle keep as a “national project,” it faces severe criticism regarding its legitimacy and feasibility. The following three points highlight why this project is viewed with skepticism:

1. Absence of Key Stakeholders (The Tokugawa Family)
Crucially, the descendants of the Tokugawa Shogunate (the Tokugawa family) have not endorsed this project. Since the peaceful surrender of Edo Castle in 1868, the site has served as the Imperial Palace. From the Tokugawa family’s perspective, demanding a reconstruction on the Emperor’s current residence would be historically insensitive and diplomatically improper. Furthermore, the decision not to rebuild the tower after the Great Fire of Meireki (1657) is historically regarded as a symbol of the Tokugawa’s wise governance, prioritizing city relief over prestige. Rebuilding it now could be seen as undermining that historical legacy.

2. Lack of Political and Academic Support
Despite the involvement of high-profile entrepreneurs like Takafumi Horie, there is a notable absence of support from active politicians and mainstream historians.
Political Barriers: The site is managed by the Imperial Household Agency. No politician has been willing to challenge the Agency’s strict stance on security and the sanctity of the Imperial Palace.
Academic Barriers: Historians argue that “authentic reconstruction” is impossible due to insufficient blueprints. Building a “guesswork” tower would violate the Agency for Cultural Affairs’ regulations on Special Historic Sites.

3. Financial and Structural Risks
The project aims to raise over 55 billion JPY (approx. $350 million USD) through donations and DAO (Decentralized Autonomous Organization) schemes. However:
No Refund Policy: Contributions are framed as “donations” with no financial return. If the project fails—which is highly likely given the lack of government permits—the funds will have already been consumed by administrative costs, events, and PR activities.
Empty Promises: Without the consent of the “Landowner” (the State) or the “Heirs” (Tokugawa), the project remains a “vague dream” used to attract attention and capital, rather than a viable construction plan.

Conclusion
In essence, this is a project led by influencers and business leaders without the backing of the State, Academia, or the Original Owners. While not legally classified as a “scam” as of 2025, it functions more as a high-risk social experiment or a “vision-sharing” community. Investors and donors should be aware that their money is likely funding the movement itself, rather than the actual bricks and mortar of a castle that may never be allowed to exist.


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投稿日:2025/04/19

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