安倍元首相が選挙演説中、テロリストによって銃撃され、暗殺されるという許し難い事件より間も無く1ヶ月を迎える。わが板垣会は民主政治に対して向けられた暴挙として受け止め、理事長以下、会のメンバーに緊急集合を呼びかけ、事件2日後の7月10日、事件現場・大和西大寺に設けられた献花台へ献花を行った。
(※弊会監事で元奈良県議会議員の大坪宏通先生が献花の先導役を務めてくださいました)
この時、安倍晋三先生に奉る歌。
今も未(ま)だ君の魂(たましい)この場所に
存(あ)ると信じて花を獻(たむ)けむ 髙岡功太郎
同会では2018年、板垣の百回忌に合わせて新たに位牌(いはい)を作ることになり、安倍氏に揮毫(きごう)をお願いした。奇しくも文言は、板垣が襲撃された際に口にしたとされる「板垣死すとも自由は死せず」。「自由党の流れをくむ自民党の総裁であり、板垣同様、『国を守る』という政治精神を持っている」という理由でお願いしたところ、安倍氏が快諾したという。同氏の文字が刻まれた位牌は東京と高知にある板垣の菩提(ぼだい)寺にそれぞれ奉納されている。
暴漢に短刀で襲われた板垣は一命を取り留めたが、安倍氏は凶弾に倒れた。「揮毫をした人物が板垣と同じように襲撃されたことはとても信じられない。道半ばで亡くなってしまい、本当に悲しい」と高岡さんは突然の死を悼む。
「意見を言論で戦わせる時代でこんなことがあっていいのだろうか。演説という政治的意見を表明する場を狙った襲撃は、民主政治を否定する暴挙だ」と怒りを隠せない。「今は政治活動が命懸けだった時代とは違う。二度とこんなことが起きないことを願う」と声を震わせた。(以上引用ここまで)
1.今回の事件の一報に接しどう感じたか
2.安倍元首相に揮毫をお願いした経緯
3.板垣の位牌が作られるに至った経緯
4.板垣退助先生顕彰会(弊会)の活動内容
5.事件を受けて弊会でどのような活動を予定しているか
6.事件を受けて、今後の提言など
7.百回忌、位牌、色紙、理事長の写真等の使用の許可
等についてであった。もとよりこの位牌作成の経緯は、弊会が平成31年(2019)に編纂した『板垣精神』に記載している他、高知に本部を置くNPO法人板垣会(旧 財団法人板垣会)、土佐藩ゆかりの会の会報などに詳述しているが、研究者以外が目にする機会が限られている書籍のため、理事長より直接、取材に応じる措置をとった。各社に配分した取材時間は概ね2時間程度であったが、位牌作成の経緯においても、百回忌斎行の流れに関しても、それぞれ本が一冊書けるほどのエピソードがあり、上記7項目を説明し、追加の質問事項があれば、個別にmailなどでの対応も可とした。『中日新聞』、『岐阜新聞』、『高知新聞』は、板垣退助を軸として安倍元首相の揮毫の経緯を載せた記事にしたのに対して、海外メディアと『時事通信社』は安倍元首相暗殺事件を軸として、板垣の文言を安倍元首相が揮毫した経緯を記事にしていた。その為、『中日新聞』、『岐阜新聞』、『高知新聞』は板垣退助の命日7月16日を期に記事としたのに比して、『時事通信社』は安倍元首相逝去の1ヶ月を期に記事として掲載したなどの違いがあった。
考えてみて欲しい。こんな事件が起きてしまった以上、政治家・要人・有名人を狙った模倣犯が必ず現れる。今までのように、有権者と立候補者が間近に接する「どぶ板選挙」や「握手」なども警備面から出来なくなる。そしてこれは、国政選挙ばかりでは無く、地方選挙にも波及する。良い影響は一つも無い。そう言う意味で【民主政治の根幹を揺るがす暴挙】と言える。