築100年の家を訪ねる旅・茨城県「牛久シャトー」(令和4年8月17日放送 BS朝日)

茨城県牛久市の「牛久シャトー」の続編。

「明治の要人が集った歴史的広間」と題し、BS朝日の『築100年の家を訪ねる旅』と題した番組で、板垣退助先生を囲んで行われたワイン・パーティーの写真、芳名録が放送されました。
背後には三味線を手にした芸者さんたちが写って


おり、弾き語りの演奏、和洋折衷なところが大正浪漫、当時の時代を感じさせる貴重な写真です。そして、芳名録は、当時板垣先生が直筆で書かれたもの。大正なのにうっかり「明治」と書いてしまって訂正してます。日本人なら改元後に、あるあるの間違い。板垣先生もやってしまってました。人間味を感じさせる貴重な一枚。右頁は総て直筆で「大正二年十月三日於牛久葡萄園神谷氏の為、伯爵板垣退助」と書かれています。この時の列席者は、板垣退助、神谷伝兵衛をはじめ、伊東祐亨伯爵、川村景明子爵、上村彦之丞男爵、日高壮之丞男爵、小牧昌業(宮中顧問官)らで、撮影場所はシャトー本館2階。同年5月に、伊東祐亨が神谷伝兵衛とワイン・パーティーを開催しており、伊東が神谷に「次回は板垣伯を囲んで開催しましょう」と約束したとのことで、伊東伯が開催に尽力してくれたそうです。

(以下番組案内より)明治36年に“ワイン王”と呼ばれた神谷傳兵衛が造った、日本最初期の本格的ワイン醸造場(ワイナリー)です。場内に建つ3棟の国指定重要文化財の中で、今回拝見するのは通常非公開の事務室。入り口正面にそびえ建つ赤煉瓦の壮大な建物は、牛久シャトーの象徴的な景観を作り上げています。建物の中央はアーチ型の通路になっていて、かつてはここをトロッコが通り、敷地奥の醸造室から牛久駅まで直接ワインの出荷が出来るようになっていました。


通路の左側部分はかつてのオフィス。喫茶室と呼ばれた室内には、オーダーの柱や暖炉が備えられ、豪華な応接空間となっています。驚くのは大理石のように見える柱やマントルピースが、実は木材で造られていること。なかなかお目にかかれない設えで、この建物に賭ける傳兵衛の心意気が伝わってきます。圧巻は2階の広間。板垣退助ら明治の要人たちがここに集い、日本最初期の本格的ワイン醸造場に対する国を挙げての注目度の高さが現れています。当時のワイン醸造場の施設がほぼそのまま残る牛久シャトー。ワイン醸造の草創期を知ることの出来る貴重な産業遺産です。

案内人:内田青蔵(神奈川大学建築学部 学部長)


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投稿日:2022/08/17

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