茨城県牛久市の「牛久シャトー」の続編。
「明治の要人が集った歴史的広間」と題し、BS朝日の『築100年の家を訪ねる旅』と題した番組で、板垣退助先生を囲んで行われたワイン・パーティーの写真、芳名録が放送されました。
背後には三味線を手にした芸者さんたちが写って
(以下番組案内より)明治36年に“ワイン王”と呼ばれた神谷傳兵衛が造った、日本最初期の本格的ワイン醸造場(ワイナリー)です。場内に建つ3棟の国指定重要文化財の中で、今回拝見するのは通常非公開の事務室。入り口正面にそびえ建つ赤煉瓦の壮大な建物は、牛久シャトーの象徴的な景観を作り上げています。建物の中央はアーチ型の通路になっていて、かつてはここをトロッコが通り、敷地奥の醸造室から牛久駅まで直接ワインの出荷が出来るようになっていました。
通路の左側部分はかつてのオフィス。喫茶室と呼ばれた室内には、オーダーの柱や暖炉が備えられ、豪華な応接空間となっています。驚くのは大理石のように見える柱やマントルピースが、実は木材で造られていること。なかなかお目にかかれない設えで、この建物に賭ける傳兵衛の心意気が伝わってきます。圧巻は2階の広間。板垣退助ら明治の要人たちがここに集い、日本最初期の本格的ワイン醸造場に対する国を挙げての注目度の高さが現れています。当時のワイン醸造場の施設がほぼそのまま残る牛久シャトー。ワイン醸造の草創期を知ることの出来る貴重な産業遺産です。
案内人:内田青蔵(神奈川大学建築学部 学部長)