丸山台は弘化台と南新田町の中間にあり、約七百平方メートルの県所有の小島。明治十六年板垣が訪欧後、帰高した際、県民から熱狂的な歓迎を受けたゆかりの地で、大正十三年、『自由の碑』が建てられた。見学会には財団法人板垣会の会員など約三十人が参加。船で丸山台に渡ったが、石碑の周辺は約五メートルもの竹が生い茂り、足の踏み場もないような状態。参加者らは「こんなに竹が生えているとは」と驚きながら、持ってきた鎌で刈り取った。
約半時間の清掃で竹林の中から姿を現した石碑は砂岩で造られたものらしく高さは約二メートル。『自由民権ノ気勢更ニ天下ヲ震動ス』と外遊から板垣が帰った当時の華やかな歓迎ぶりが偲ばれた。同実行委員会は今回の見学会を皮切りに『板垣退助読本』も九月末に刊行するなど板垣顕彰事業を進める。
(『高知新聞』昭和62年(1987)8月9日附朝刊(22面)より)