【板垣會舘の焼失】
板垣伯の十五回忌の法要の席上にて、高知・高野寺菩提寺の谷信讚住職によって発議され、東京相撲協会、頭山満翁らのご尽力により、その二年後の昭和十二年(一九三七)、あたかも伯遭難の四月六日を以て落成された「板垣會舘」は、永く伯を記念し、土佐自由民権の発信地としての聖地となるべき処であったが、歴史の悲運の成せるものか、その輝かしい時は僅かに八年余りであった。
高知財団法人板垣会(現・特定非営利法人板垣会)が組織されたきっかけもまた、この會舘を使って板垣精神と自由民権思想を啓蒙することにあったのである。
時運刻々と逼迫しゆく中にあって、各位のご尽力を以て建立された高…
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